近年、周年事業の一環として「社史」の価値を見直す企業が増えています。しかし、いざ制作するとなると「何から始めればいいのか?」「外注する場合、制作会社はどう選ぶべきか?」と悩む担当者の方も少なくありません。
本記事では、社史制作の検討をはじめた企業の皆様へ向けて、制作の目的から、制作を外注するうえで失敗しないための注意点まで、社史の作り方について徹底解説します。
なぜ社史を作るのか?投資対効果(ROI)を最大化する目的
「社史を作る」と聞いたとき、多くの経営者や担当者が「これまでの歩みを記録した、分厚い記念品」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、変化の激しい現代において、社史の役割は単なる「記録」を超え、企業のブランド価値を再定義し、次世代の羅針盤となる「戦略的な経営ツール」へと進化しています。
社史制作は単なる「思い出づくり」ではありません。外注費用をかける以上、それに見合う経営上のメリットが必要です。
社史を作る意義としては、大きく以下の3点が挙げられます。
① 企業理念の浸透とインナーブランディング
創業者がどのような想いで会社を立ち上げ、困難をどう乗り越えてきたのか。そのストーリーを共有することで、従業員の帰属意識を高め、企業理念を自分ごと化させることができます。特に急速に事業規模が拡大した、あるいは合併を繰り返してきた企業や、中途採用が多い組織にとって、社史は「組織のDNA」を継承する最強の教科書となります。
② 外部への信頼向上(アウターブランディング)
取引先や金融機関、採用候補者に対して、自社の歴史と実績を体系的に示すことは、圧倒的な信頼感につながります。「長年続いてきた理由」を論理的に提示し、「将来に向けた自社の社会的意義」を描くことのできる企業は、ステークホルダーから見て非常に魅力的な存在です。
③ 知財の整理とナレッジの継承
過去の成功体験だけでなく、失敗談や危機管理の記録を残すことも重要です。当時の意思決定の背景を記録しておくことは、将来同じような壁にぶつかった際の強力なガイドラインとなります。
社史制作で絶対に気を付けるべき4つの注意点
社史の制作にあたっては、以下の点に細心の注意を払う必要があります。
① ターゲットとゴールを明確にする
誰に、読んでどうなってほしいのかを最初に定義してください。「社員のモチベーションを上げたいのか?」「顧客に技術力の高さをアピールしたいのか?」「周年事業のイベント資料として活用したいのか?」
ターゲットが曖昧なまま進めると、内容が散漫になり、誰の心にも刺さらないものになってしまいます。
② 「きれいごと」だけで終わらせない
成功の記録だけを並べた「年表の羅列」は、読み物として退屈です。社史の真の価値は、「苦難をどう乗り越えたか」というドラマにあります。失敗や葛藤を隠さず、人間味のあるエピソードを盛り込むことで、読者の共感と感動を呼び起こします。
③ 資料(エビデンス)の収集・整理を甘く見ない
社史はノンフィクションです。古い写真、当時の契約書、社内報、OBの証言など、正確な資料の収集には膨大な時間がかかります。制作を開始する前に、社内にどれだけの資料が残っているかを棚卸しすることが不可欠です。
④ 著作権・肖像権の確認
過去の写真や記事を使用する際、退職した社員の肖像権や、引用した文献の著作権の確認が必要です。ここを怠ると、発行後に法的トラブルに発展する恐れがあります。
失敗しない社史制作のプロセス
社史制作は、内容にもよりますが、一般的に1年以上の期間を要する長期プロジェクトです。標準的な流れを把握し、計画的に進めましょう。
STEP 1:企画・コンセプト立案
制作の目的を決め、メインテーマを設定します。「100年の革新」「地域と共に歩む」など、軸となるキーワードを定め、構成案(目次)を作成します。
STEP 2:資料収集・編纂委員会の発足
各部署から担当者を集めた「編纂委員会」を組織します。社内に眠る資料を収集し、情報の取捨選択を行います。
STEP 3:取材・インタビュー
創業者、現経営陣、OB、主要な取引先などへのインタビューを実施します。資料だけでは見えてこない「当時の熱量」や「裏話」を引き出す、非常に重要な工程です。若手・中堅社員を交えた座談会形式にすることも、受け手が知りたい内容をコンテンツ化する意味で効果的です。
STEP 4:執筆・編集
集まった情報を元に原稿を作成します。読みやすさを考慮し、写真、図解、年表などを効果的に配置したデザインを作成します。
STEP 5:校正・事実確認
名前の間違い、日付の誤り、情報の不整合がないかを徹底的にチェックします。複数人でのダブルチェック、トリプルチェックが必須です。コストはかかりますが、専門の校閲会社を利用する方法もあります。
STEP 6:印刷・製本・デジタル化
印刷物だけでなく、Web社史や電子書籍、動画社史を組み合わせることで、拡散力を高める手法も人気です。伝えたい相手・内容に応じて適切なアウトプットを決めることが重要です。
よい外注先に発注することの重要性
ざっと社史制作のプロセスをご紹介しましたが、これをすべて自社のみで完結させるのは、極めて困難です。印刷・製本だけではなく、企画・コンセプトづくりの段階から、信頼のおけるプロの制作会社に外注することが、社史のクオリティを左右します。なぜ制作会社への外注が必要なのかは、以下の3つの理由が挙げられます。
①「客観的視点」でのストーリーテリング
社内の人間では「当たり前」すぎて気づかない強みや魅力を、プロのライターや編集者は見逃しません。第三者の視点が入ることで、読み物としての質が格段に向上します。
② プロジェクト管理能力
多忙な社内業務の傍ら、膨大な資料整理やスケジュール管理を行うのは担当者の負担が大きすぎます。制作会社は伴走者として、進捗をコントロールし、完遂をサポートします。
③ デザインと技術
最新のデザイン技術や、古い写真の補正、法的な権利関係のアドバイスなど、専門知識に基づいた成果物を提供します。
いずれにしても、企業のドラマを掘り起こせるプロのライターや、社史全体のコンセプトや構成を提案できる編集者、デザインから造本まで安心して任せられる制作担当がいる、経験豊富な制作会社に依頼することが肝心です。電子書籍化やウェブ展開、動画の制作までワンストップで任せられるかどうかも、制作会社選びの重要なポイントとなります。
結びに:社史は未来への投資です
社史は、過去を振り返るためだけのものではありません。過去の教訓を整理し、現在の立ち位置を確認し、「次の50年、100年をどう生きるか」を社員全員で共有するための指針です。
手間と時間をかけて作られた一冊は、時が経つほどにその価値を増し、企業の無形資産となっていくでしょう。
社史・周年誌制作のプロフェッショナルとして、御社の物語を最高の結果へと導きます。
まずは情報収集からという方も、お気軽にお問い合わせください。
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